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賛同者の方々にいただいたコメントをアップしていきます。 随時アップ予定です。
■打瀬舟建造によせて かつて千葉県浦安市で打瀬舟造りの取材をしたことがあります。
肩幅5尺型の舟でしたが、その造船過程はたいへん厳しいもので、職人さんの真剣勝負の姿を目の当たりにし、木造舟造りの困難さをひしひしと感じたものでした。まさに命を削ってまで挑戦するというような感じでもありました。
今回狙っているのが、いわゆる検見川型の大打瀬(浦安では検見川のケタ舟と呼んでおり、肩幅7〜8尺サイズの東京湾最大の舟)とすると、現実的にはその厳しさは想像を絶するものと思っています。
しかしあえてその厳しい現状に挑戦する、とにかくいけるところまでいく、との東京湾漁師の心意気に打たれました。まさに漁師人生をかけた挑戦に、これは打瀬舟造りを見聞した者として若干でも協力できることがあるかもしれないと思い、応援団の一員として参戦させていただくことになりました。
また今回強く共感した点に、舟造りの背後にある環境問題や漁業復興、東京湾漁業の振興等までを視野に入れている点があります。ともすれば和舟造りとなるとマニア的な視点に陥りがちで、和舟の背後にある様々な課題・問題に言及することはこれまで少なかったと思われます。和舟が存在したのは、それを生んだ歴史的・文化的・地理的・環境的土壌があるはずなのですが、これまでの和舟研究ではそれらの点を追求するのが非常に手薄であったと思います。東京湾漁師の方がその背後にある問題を発言されたこと(日々自然の中で働いている漁師さんとしては当然の視点なのでしょうが)は目から鱗の思いがし、不勉強の私の心も動かざるを得ませんでした。私自身、木造船の素材としての「木」に注目して、若干の調査をしたことがありましたが、その勉強も中途のまま途絶えてしまっていることを恥じ、これを機会に再度学ばないといけない、と私自身も決意を新たにしたところです。
さて私のつたない見聞から、今後にむけたコメントをいくつかを記させていただければと思います。まだ浦安の親方に詳しいことをお聞きしていませんので、あくまで見聞した素人としてのコメントです。
○正直、検見川型の新造は厳しいです。一言でなかなかいえませんが、100人中99人が無理では?、と思っているはずです。しかし厳しいながらも、もしかしていけるかも、とも思っています。なぜかというと、この企画は舟を使う(舟の守る)立場の漁師さん方が中心ということだからです。作った舟の管理をする人々が中心となる話は、そう簡単につぶれない(つぶさない)はずですし、将来に渡ってその舟を管理する上では、またとないよい条件と思われます。舟の型をどこまでにするか、その条件闘争がしばらく続くと思いますが・・・。
○ケタ舟はとても大きく厳しいですが、図だけは起こしてもよいのではないでしょうか。図だけでも、とても貴重なものになると思います。専門的な船図は非常に難しく、親方の話をきいても理解するのは難しいので、ここで足踏みしても時間がないので、とにかく書いて後世に残すことが先決と思います。
○木材は探せばあるはずです。ただしケタ舟サイズのものとなると確保するのに時間がかかるでしょう。浦安の場合、千葉県内あちこち舟材に向く木を探し回りました。最後に行き着いたのが印旛沼近辺のスギでしたが、そのスギもまだあるはずです。
東金市に木材市場があり、そこで探すのも手ですが、山持ちを探して自分で探す方が安上がりですし、舟材にあった木を選択できるのでよいと思います。山武町に千葉県林業試験場(森林研究センター)がありますので、そこに相談するのも手ですが、できれば小櫃川流域で探せるのが理想と思います。
大木となると木挽き職人にも依頼しないといけないでしょう。浦安でもお願いした、東京の木挽き職人、林以一さんがお元気なので、頼めるはずです。またスギのほかにヒノキやカヤなど、付属品の木材も必要ですが、これはやや小さいものなので手に入るでしょう。
○木はお金でどうにかなると思いますが、問題は舟釘です。関東近辺では唯一ともいえた生麦の鍛冶屋さんが亡くなってしまいましたので、工場(横浜市神奈川新町:大村物産)に残りがあればそれを急いで買うべきと思います。なければ仕方ないので、ほかの鍛冶屋さんに作ってもらわないといけませんが、値段も高いし造舟には向かないものになる可能性があります。舟釘鍛冶は西日本におられるとも聞きました。海の博物館の石原館長さんが詳しいので、お聞きするのがよいでしょう。
○造舟道具はやはり専門の職人さんにお世話にならないといけないでしょう。つばのみ、釘閉めなど、今では手に入らないものがいくつかあります。舟鋸は千葉県の伝統工芸品、鴨川市の中屋雄造銘の後継者の方がお元気と思われますので、手に入るはずです。でもスリあわせ専門の鋸となると1本10万円近いのではないでしょうか。
○あとは作業小屋(仮屋)です。この場所が確保できるかどうかもポイントになります。
掘っ立て小屋でよいのですが、つっかけ棒を支えるだけの強度は必要です。造る舟の大きさに合わせ
た小屋が必要ですので、ケタ舟となると相当大きなものが必要ですね。
まだまだ様々なことがあると思いますが、またご連絡いたします。
いつの日か、打瀬舟の上で藻海老のかき揚げをつまみに酒を飲み、東京湾と人類の未来を語り合えたら・・・。この夢を実現できるよう、側面から援護射撃をしていければと思います。
東京湾に打瀬船を復活させる協議会委員/民俗学者 尾上一明 2008年7月1日アップ
■ 打瀬舟。何と良い言葉の響きでしょうか。まだ見たことはありませんが、かつて東京湾では打瀬舟が風に帆をはらませ、海面をすべるように走りながらアマモ場に居着く小エビを捕っていたとか。 打瀬舟の材料は木、それも地場の山からとれた優良な木が使われていたそうです。山が育てば海が育つ。アマモ場も、ノリも、アサリやハマグリも、アナゴやキスも、江戸前の魚介の恵みは豊かな山があってこそ。その恵みを捨てて、沖へ沖へと、海外へと日本の漁業は発展していきました。それは安い石油のおかげです。石油が高くなって、遠洋は言うに及ばず、沖合の漁業も成り立たなくなってきました。 穀類も肉も乳製品も軒並み高騰する中、いつまで食を輸入に頼っていられるものでしょうか。多くの人に身近な海の大切さ、循環を取り戻し、豊かな海を取り戻すことの意味を理解してもらわなくてはなりません。しかも打瀬舟は石油を使わず漁ができます。いろいろなことを教えてくれるプロジェクトになると思います。
環境ジャーナリスト/環境教育コーディネーター 小澤祥司(HP/Blog)2008年6月19日アップ
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